人にとって作物とは?植物の存在とは?めぐり合わせで果樹栽培を営むことになった信州のとある農業者が思うこと
冬だ。
昨日の朝は軒下の最高最低温時計が−11℃を示していた。ちょっとびっくり。今日は今日で朝方の冷え込みはそれほどだったのに、日中は気温が上がらず昼を過ぎても氷点下のまま。
こんな日が多くなると心から薪ストーブを有り難く思うもの。
それにしても、薪に火が点く瞬間の『音』は、どうしてこうも魅惑的なのだろうね。まぁ、こんな好みは少数派なんだろうが。残った熾きの熱で燃え出す薪。その点火直前と直後の『音』。あぁ今日もいい音聞けたわと(笑)吸気口に近づけていた頭を離す。しばらくすると激しく燃える音が聞こえてくる。やや熱の残っていたストーブが温まるのは意外と早い。やがて発せられる輻射熱で身も心もふわ〜っと緩む。音と熱。私の冬の醍醐味なのである。
世の多くの薪ストーブには炎が見える窓がついていて、それを好む人が多いのはわかる。でも、それなら直接炎を見られる暖炉の方が私は好きだ。わが家のストーブを作った職人さんは「家の中での焚き火なんだから」と言っていた。要は温まることなんだから洒落たガラス窓なんて必要ないゼ、というようなことも言っていて、私は妙に共感できた。薪ストーブを本来の目的に絞った道具として使いこなす方が、私たちには合っていると思えたし、それは今でも変わらない。
『音』を聞いて内部を想像するのもいい。『音』で判断できるようになるのがいい。窓がない分、こういう楽しみ方もできるよ。(見た目もシンプルで良し)
昨日の朝は軒下の最高最低温時計が−11℃を示していた。ちょっとびっくり。今日は今日で朝方の冷え込みはそれほどだったのに、日中は気温が上がらず昼を過ぎても氷点下のまま。
こんな日が多くなると心から薪ストーブを有り難く思うもの。
それにしても、薪に火が点く瞬間の『音』は、どうしてこうも魅惑的なのだろうね。まぁ、こんな好みは少数派なんだろうが。残った熾きの熱で燃え出す薪。その点火直前と直後の『音』。あぁ今日もいい音聞けたわと(笑)吸気口に近づけていた頭を離す。しばらくすると激しく燃える音が聞こえてくる。やや熱の残っていたストーブが温まるのは意外と早い。やがて発せられる輻射熱で身も心もふわ〜っと緩む。音と熱。私の冬の醍醐味なのである。
世の多くの薪ストーブには炎が見える窓がついていて、それを好む人が多いのはわかる。でも、それなら直接炎を見られる暖炉の方が私は好きだ。わが家のストーブを作った職人さんは「家の中での焚き火なんだから」と言っていた。要は温まることなんだから洒落たガラス窓なんて必要ないゼ、というようなことも言っていて、私は妙に共感できた。薪ストーブを本来の目的に絞った道具として使いこなす方が、私たちには合っていると思えたし、それは今でも変わらない。
『音』を聞いて内部を想像するのもいい。『音』で判断できるようになるのがいい。窓がない分、こういう楽しみ方もできるよ。(見た目もシンプルで良し)
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ふぅ〜...
冬作業は確実に進んでいるが、どれここれも片付け仕事は手間と時間がかかり「進んでいる」という実感のないまま、それでも確かに一つ一つ終えられてはいる。が、毎日疲れる。そういう意味のため息が近頃多い。
早く終えて遊びにでも行きたいなぁと毎年思うが、それを待っているといつの間にか年末で結局どこも行けずじまい、なんてことが続いているので今年は予定を先に入れておいた。
夫は早朝からJA関係の一泊旅行。それをいいことに(?)私は小淵沢近くの知人宅へ。小諸経由で延々と小海線を使う。冬になると「鉄子」になるのはなぜだろう。
冬作業は確実に進んでいるが、どれここれも片付け仕事は手間と時間がかかり「進んでいる」という実感のないまま、それでも確かに一つ一つ終えられてはいる。が、毎日疲れる。そういう意味のため息が近頃多い。
早く終えて遊びにでも行きたいなぁと毎年思うが、それを待っているといつの間にか年末で結局どこも行けずじまい、なんてことが続いているので今年は予定を先に入れておいた。
夫は早朝からJA関係の一泊旅行。それをいいことに(?)私は小淵沢近くの知人宅へ。小諸経由で延々と小海線を使う。冬になると「鉄子」になるのはなぜだろう。
目覚めると障子の向こう側が白くて明るい。今年初めての、それなりの積雪。これでまたアスパラの片付け作業が遠のくと思うとがっかりだけど、何もかも白く覆われた景色はやっぱり好きだ。
あぁ早く冬支度作業を終わらせたい。(すでに真冬だが)
今年は年内にもみ殻くん炭...焼けるだろうか?
デスクそばの横長窓から
あぁ早く冬支度作業を終わらせたい。(すでに真冬だが)
今年は年内にもみ殻くん炭...焼けるだろうか?
デスクそばの横長窓から
慌てて穫り続けたサンふじの収穫がついに終了。
いや〜...みぞれの中でのりんご穫りなんて、初めて(笑)。昨日は途中で出荷用コンテナが足りなくなり、収穫を途中で切り上げた。それさえなければ今日の悪天候で収穫しなくても良かったのだが...。遅れに遅れた今年は最後まで何があるかわからない展開だった。まぁ、これ以上りんごが凍る前に収穫を終えられて本当によかった。これもいい思い出になるんだろう。
さて、昨日は「踊る〜FINAL」の最終日。二度も見るような映画でないだろうに、青春の”踊る”にさよならを!ということで、夕方またしてもシネコンへ車を走らせたのだった。行ってくれば?と言ってくれた夫に感謝しつつ。
劇中、青島が「室井さん、しびれるような命令をありがとうございました」という台詞がある。私の仕事に組織は無縁だけれど、しびれるような指示。しびれるような言葉。あったらいいのになぁ、と思う。
例えば、『温暖化対策は消費者も一緒に考えるから、農家はおいしいものを作ることだけに専念せよ』とか(笑)。または『しかるべき所にきちんと売るから、(以下同)』とかね。食べる人にも売る人にも、そんな風に言われたら、しびれること間違いなし!!まぁ...ないと思うが。
何はともあれ、本年の収穫もすべて終了。今年一年、当園の作物を食べて下さった方々。ありがとうございました。
私の結婚生活は「踊る」とともにあったようなもの。さらば青島、すみれさん、真下。
いや〜...みぞれの中でのりんご穫りなんて、初めて(笑)。昨日は途中で出荷用コンテナが足りなくなり、収穫を途中で切り上げた。それさえなければ今日の悪天候で収穫しなくても良かったのだが...。遅れに遅れた今年は最後まで何があるかわからない展開だった。まぁ、これ以上りんごが凍る前に収穫を終えられて本当によかった。これもいい思い出になるんだろう。
さて、昨日は「踊る〜FINAL」の最終日。二度も見るような映画でないだろうに、青春の”踊る”にさよならを!ということで、夕方またしてもシネコンへ車を走らせたのだった。行ってくれば?と言ってくれた夫に感謝しつつ。
劇中、青島が「室井さん、しびれるような命令をありがとうございました」という台詞がある。私の仕事に組織は無縁だけれど、しびれるような指示。しびれるような言葉。あったらいいのになぁ、と思う。
例えば、『温暖化対策は消費者も一緒に考えるから、農家はおいしいものを作ることだけに専念せよ』とか(笑)。または『しかるべき所にきちんと売るから、(以下同)』とかね。食べる人にも売る人にも、そんな風に言われたら、しびれること間違いなし!!まぁ...ないと思うが。
何はともあれ、本年の収穫もすべて終了。今年一年、当園の作物を食べて下さった方々。ありがとうございました。
私の結婚生活は「踊る」とともにあったようなもの。さらば青島、すみれさん、真下。
サンふじの次の収穫までやや日数が空くため、冬支度の作業をできるところから始めることにした。とりあえずは若木の藁(わら)巻き、...の前のペンキ塗り。
ここでも何度か書いていると思うが、株元の数10cm上を白く塗るのは、春先に藁を外した後の凍害対策である。植えたばかりの若木はまだまだ枝も少なく、幹も細いので塗ることはわりと容易い。これが3〜4年も経った樹になれば、株元に身体をもぐり込ませるのもなかなか困難になってくる。
枝や芽を傷つけぬよう身を縮めて株元に座り込む、立つ、を繰り返して、やっぱり今年も腰が痛くなった。農作業というのは、一つの品目に取りかかれば、終わるまでの一定期間はその作業の繰り返しである。例えば摘果なら延々と終わるまで摘果作業。収穫ならば、収穫である。よって作業中は限られた身体の部位をとことん使うことになる。
これまで平気だった場所が痛くなれば「この腕、指...いつまで保つんだろう?腱鞘炎がひどくなって使い物にならなくなったらどうしよう...」なんて不安もよぎる。そんな時はいつも田中泯さんの言葉を思い出す。
あの日、サインをしてもらっている時、ふと、こういう舞踏家だってそうとう身体を酷使するのではないか?しかも泯さんは畑作業もやられるのだから丁度いいと思った私は、身体の良い動かし方または痛くならないようなコツをお持ちなんでしょうか、というようなことを尋ねてみた。すると、泯さんはゆっくりとした口調で『僕も農業やってますからね...しょっちゅう身体は痛くなりますよ...ただ...痛い方がいいじゃないですか』と言った。
痛いと感じられること、それもいいんじゃないの。仕事をした証しでもあるし。...というような意味に私はとったのだけれど、言葉の最後の方をニカッと笑いながら言われた時にはガツーン、ドキューン(笑)。あーーっ、そっかーー、いや、まぁとりあえず、メチャ格好いい!!
同じ作業ばかり繰り返せば痛くなるのも普通だし、あぁ今日はここの筋肉使い過ぎたかなぁとかあんな体勢だったから痛くなったのかなぁとか、そういうことで肉体と会話するのも悪くない。畑に出て土を触ったり御天道様を浴びたり、そこに愛しさを感じられるうちは、きっと笑って痛い痛いと言っていられるだろう。
ま、理想は痛みが続かないようにケアすることと、美しい"農の所作"、だけどね...
サイン。表紙とか扉ページに入れるのが普通なんだろうが、私の希望で畑で舞う泯さんの写真ページに。
ここでも何度か書いていると思うが、株元の数10cm上を白く塗るのは、春先に藁を外した後の凍害対策である。植えたばかりの若木はまだまだ枝も少なく、幹も細いので塗ることはわりと容易い。これが3〜4年も経った樹になれば、株元に身体をもぐり込ませるのもなかなか困難になってくる。
枝や芽を傷つけぬよう身を縮めて株元に座り込む、立つ、を繰り返して、やっぱり今年も腰が痛くなった。農作業というのは、一つの品目に取りかかれば、終わるまでの一定期間はその作業の繰り返しである。例えば摘果なら延々と終わるまで摘果作業。収穫ならば、収穫である。よって作業中は限られた身体の部位をとことん使うことになる。
これまで平気だった場所が痛くなれば「この腕、指...いつまで保つんだろう?腱鞘炎がひどくなって使い物にならなくなったらどうしよう...」なんて不安もよぎる。そんな時はいつも田中泯さんの言葉を思い出す。
あの日、サインをしてもらっている時、ふと、こういう舞踏家だってそうとう身体を酷使するのではないか?しかも泯さんは畑作業もやられるのだから丁度いいと思った私は、身体の良い動かし方または痛くならないようなコツをお持ちなんでしょうか、というようなことを尋ねてみた。すると、泯さんはゆっくりとした口調で『僕も農業やってますからね...しょっちゅう身体は痛くなりますよ...ただ...痛い方がいいじゃないですか』と言った。
痛いと感じられること、それもいいんじゃないの。仕事をした証しでもあるし。...というような意味に私はとったのだけれど、言葉の最後の方をニカッと笑いながら言われた時にはガツーン、ドキューン(笑)。あーーっ、そっかーー、いや、まぁとりあえず、メチャ格好いい!!
同じ作業ばかり繰り返せば痛くなるのも普通だし、あぁ今日はここの筋肉使い過ぎたかなぁとかあんな体勢だったから痛くなったのかなぁとか、そういうことで肉体と会話するのも悪くない。畑に出て土を触ったり御天道様を浴びたり、そこに愛しさを感じられるうちは、きっと笑って痛い痛いと言っていられるだろう。
ま、理想は痛みが続かないようにケアすることと、美しい"農の所作"、だけどね...
サイン。表紙とか扉ページに入れるのが普通なんだろうが、私の希望で畑で舞う泯さんの写真ページに。
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管理人(ハナイ)
長野県須坂市に住む。夫と共に果樹の世話をして収穫して出荷・販売することが仕事。栽培品目はもも・プルーン・りんご・ぶどう・アスパラガス。趣味はMac、写真、庭に訪れるレア度の低い野鳥の観察、CSで撮りためた日本映画を夫と観ること。仕事以外はわりとインドアである。
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