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人にとって作物とは?植物の存在とは?めぐり合わせで果樹栽培を営むことになった信州のとある農業者が思うこと
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ここんとこ、アスパラ収穫&荷造りの後はももの摘蕾(てきらい)作業である。なので、部屋にもものつぼみが落ちていることもしばしば。部屋に入る時はもちろん作業服から着替えるのだが、どこかにくっついていたものがポロリとするらしい。

さて、先週の土曜。長野市のレトロな映画館で映画「ほかいびと」を観た。

幕末から明治期にかけて伊那谷を放浪した俳人・井上井月(せいげつ)を描いた映画、というのがこの「ほかいびと」なのだが、その井月を田中泯が演じている。初日の初回上映後は田中泯と監督による舞台挨拶があるということを事前に知り、何となく惹かれるものがあって私たちはいそいそと出かけた。

監督の北村皆雄という人はテレビ畑の人のようで主にドキュメンタリー作品を残している。だから「ほかいびと」も古人の生涯を単に物語的に映像化したようなものではないだろうと思って観たのだが、その想像は当たっていた。ただ、その構成や手法について監督が語った内容は意外性があって、感心した。

たぶん映画っぽくない映画。でも、「映画とはこういうもの」という思い込みがこの映画にはなくて清々しい気さえする。今は色々なものが変化の時と言われているが、そういう世の中において映画の作り方や意味や価値だって変わっていい。時代時代で意義があってこそ文化、なのではないだろうか。...てなことを思ったり。

で、田中泯である。彼の本業である舞踊は正直よくわからないが、あの存在感がすごく好きだ。何年か前に山梨の山あいで畑仕事もしていると知った時には、完全に私の頭の中に”田中泯”が親しみを持ってインプットされた。この日も、彼の本を買えばサインをしてもらえると聞き、勢いで購入(笑)。気軽に言葉を交わしながらサインする田中泯さんは意外とふわっとした輪郭でチャーミングな印象。でもさすがに眼光は鋭く、お話しながらドキドキした。(ちょーかっこええ!!)

そんなこんなで、良き日でした。


舞台挨拶後、外のありふれた会議机でサインして下さる田中泯さん
と、幸せをかみしめるワタシ。(夫撮影)

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管理人(ハナイ)
長野県須坂市に住む。夫と共に果樹の世話をして収穫して出荷・販売することが仕事。栽培品目はもも・プルーン・りんご・ぶどう・アスパラガス。趣味はMac、写真、庭に訪れるレア度の低い野鳥の観察、CSで撮りためた日本映画を夫と観ること。仕事以外はわりとインドアである。
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