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人にとって作物とは?植物の存在とは?めぐり合わせで果樹栽培を営むことになった信州のとある農業者が思うこと
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今日でプルーン「くらしま早生」とりんご「サンつがる」の収穫が終了。明朝、わずかに残った白桃と黄金桃の収穫が終わる。怒濤の8月後半の残り香に、ようやく一区切りがつく。

気がつけば、お盆明けから一度もブログを更新できていない。慌ただしさに目がまわるというより、暑さで目がまわると言った方がよい(実際めまいのため一度病院にかかった)8月だった。やれやれである。

半月ぶりに収穫がなかった一昨日の朝は、渋温泉の宿で目覚めた。前々日に急きょ予約を入れ、その翌日ひと仕事を終えた後にぴゅうっとお出かけ。見た目はごく普通の宿だが食事が抜群のお気に入りの宿でつかの間の骨休め。暑い日が続いても身体の芯は冷えているような気がしたので、お湯が本当にありがたく感じた。

スコウプルーンの収穫が今朝から始まり、この後は同時進行で巨峰ナガノパープル、そして中旬には当園最後の桃「だて白桃」も待っている。そんなこんなで、またしばらく休めない日が続く。カレンダーで出荷スケジュールを確認したら、9月は祝日が多いので市場の休みも多い。おぃおぃこれじゃぁまた9月も怒濤だなぁ...と思ったり。

ただ、9月に入って急に秋めいて来た。この後は暑さがないだけマシかもしれない。桃の収穫が進んで気持ち的にもずいぶん楽になった。深まり行く季節を感じながら、少しは落ち着いて過ごせたらいい。



温泉寺入口。山ではまだ蝉がたくさん鳴いていた。




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幸せな山菜シーズン。

揚げ物は普段ほとんどしないが、ここ二日連続で天ぷらを揚げた。友人にもらったたらの芽、自宅の畑で穫れたうど。いやぁ、もう、山菜最高!!ビールも最高!!(笑)

世間で春、春と言われ出す頃はまだ真冬のような気候の信州。ちょうど菜の花が食べられる頃の陽気が春を本当に実感できる。最後の最後まで堪能しようと、すっかりトウが立った合間から菜の花(つぼみ)を探しポキポキと折って摘んできた。さっと茹でるだけで何とも言えぬ優しい苦味。こごみは、茹でて粒マスタードとほんの少しの生醤油で和えるというのが気に入っている。

山菜をしみじみと味わえるほどに、私も大人になったものだ。
とか思う。



自宅で穫れた「うど」。白い部分は酢みそで和えるのが定番。




先日、友人と共に佐久の職人館へ出かけた。

前回はランチだったが、2度目となるその日は夜のコース料理を堪能。品数が多かったのか、締めの十割そばの前に満腹となってしまった。にもかかわらず、食い意地の張った私はそのまま食べ続け、お腹が苦しくなる始末。(それでもデザートは堪能)

ただ、どのメニューも野菜が中心の職人館の食事は、いい具合に消化していくので苦しさはそれほど続かない。あの感覚はよその食事ではあまり経験したことがない。

職人館からほど近い国民宿舎で一泊し、翌朝はYUSHI CAFE でモーニング。コーヒーにトーストしか付いてこないが、丁寧に焼かれたパンがとてもおいしい店だった。いわゆる民家カフェで、内装の古道具もセンスが良く、店内の雰囲気もマスターらしき男性の佇まいも穏やかで、良かった。ただ、清算時にカウンター席の常連さん(?)たちにジロジロ見られている気がしてちょっと居心地が悪かった(笑)本当はコーヒー豆をじっくり選んで買いたかったんだけど。

また佐久にゆっくり行けるのは、秋かな...



職人館の名物サラダ。旬の無農薬野菜などがざくざく盛られ、味付けは至ってシンプル。
素材の良さと、その手加減を知っていないとできない料理なんだと思う。

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YUSHI CAFE 入口。
店を出る時の「お気をつけて」が客に対してまっすぐな、気持ちのこもった言葉だった。
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昨日の続きで、屋代駅到着。

しなの鉄道も乗り入れている屋代駅。その業務はしなの鉄道が行っているという。ここ終点に至るまで数々の古くて味わい深い駅舎を見てきたが、やっぱり屋代も同じ。たぶん同時期なのだろう。

 ホーム上の屋根
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 渡り通路も屋代側だけは木造。しぶい
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 屋代駅から出た風景。特に何も見えて来ない。とにかく寒い。
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とにかく駅から近いということで前もって決めておいた店でピザをほおばっていると、店内に流れるFMから聴き憶えのあるイントロが。ぅわぁ『痛快ウキウキ通り』だ!!こんなこともあるんだなぁと顔がにやつく。忘れられないピザになるだろう。

 パリパリ生地が美味。ランチは大食いの私たちにとって物足りず。料金やや高め。
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お腹をそこそこ満たした後は、メイン通りをぶらぶらと歩く。空きテナントが多い。特に面白そうな店もない。なにせ寒いので反対側の小さな書店に入ってから駅に戻ることにした。こういう本屋は意外と農業関連の本が置いてあるから好きだ。レジまで行って、前々から気になっていた写真集を発見。数枚めくって見て即買い。なんだか今日は縁を感じる日だな。夫も農業技術書で気に入ったものがあったが、こういう本は日頃から行く地元の本屋で買おうということで書籍名だけ覚えて店を出る。

その地元の本屋は「にしざわ書店」というのだが、ここは「西沢書店」だ。これも縁か。郷土関連の本が充実した良い本屋さんだと思った。

 滞在時間2時間。これが最後になるであろう屋代線でまた戻る。
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 やわらかい光を反射するシート。
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 縁あって購入した本
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14時5分、井上駅着。行って帰って3時間。なかなか楽しいお出かけとなった。おしまい。

...と思いきやこの日はやっぱり縁ある日だった。帰りの電車に乗る頃、この前日に連絡を取ろうとしていたS氏より電話が入る。なんでも近くまで来ているので、どうします?とのこと。それじゃあということで、かねてよりお願いしてあったぶどう(ナガノパープル)の剪定を見てもらうことにした。

自宅に着くと大慌てで着替え、私はS氏と共にぶどう畑に直行。お互いの長靴が雪の上でキュッキュと音を立てる。それほど寒さは気にならない。さっきまでの「お出かけ楽しかった♪」的な気分の頭をフル回転で”パープル中梢剪定”の方へ持って行く。剪定を始めて以来疑問に思っていたことなどを思い起こし、S氏にあれこれ尋ねながら真面目にご指導たまわった。この時、純粋に楽しいと思えた”何か”。よくわからないが、それこそがいつかきっと何ものにも代え難いものになるだろうなと直感していた。

こうして面白い一日は終わったのだった。こんな風にヒトと、モノと、繋がりを強烈に感じるのもいい。そう感じながら過ごせるのもいい。残念ながらあの車窓はもう無くなってしまうけれど、この機会に得たもので私は気持ちが豊かになった。


守ってあげられなくて、ごめんね。



今朝も目覚めると予報どおりの雪。

昨日の朝の積雪は10cm程度。量は大したことないが、小雪も舞っていて畑に出て行く気はしなかった。なので、計画していた『廃線直前の長電・屋代線(通称:河東線)に乗ろう』を急きょ決行することに。廃線が決まってからのこのこと出かけるのは見苦しい気もするが、普段車でぴゅうっと通り過ぎてしまう町並みを、ローカル線から一度は眺めてみようと思った。

最寄りの井上駅で初の屋代行き列車を待ちつつ、”撮り鉄”を決め込む。

 雰囲気のない小さな駅舎
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11時9分。キタキタキタァ。

 2両編成なのだ
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屋代線とは、須坂屋代(やしろ)間13駅を結ぶ路線である。千曲川の東岸を走るから「河東(かとう)線」という通称なのだと思っていたら、元は河東鉄道という鉄道会社があって、そこが開業した路線だったんだね。ま、ネーミングの理由は同じなんだろうが、こんな記事でも書かなきゃずっと知らなかったことかもしれない。

 雪景色の車窓っていいね
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 古い木造が歴史を感じる綿内駅。この駅からしばらく長野市を走る。
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 こじんまりとした若穂駅。
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 信濃川田駅。この駅舎もいい感じだ。昔は町川田という駅名だった。
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 うまく撮れなかったが大室駅。井上駅と同じく簡素な駅舎。
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 満喫中の夫
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 進行方向を食い入るように見つめる”鉄”の人。トンネルいいよね〜〜。
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 金井山駅を撮り損ね、松代駅。古い駅舎はどれもそのまま残ってるんだね〜。
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 象山口駅も撮り損ね、ここは岩野駅。”エセ鉄子”がバレる。
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 雨宮駅。ここから千曲市。雪が少ないことに気づく。
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 東屋代駅。うーん、ここも古さ加減が素晴らしい。
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井上駅から30分超、屋代駅に到着。
どんよりしていた雪雲の空が、日も差してすっかり良いお天気になっていた。が、外は風がやや強くものすごく冷たい。須坂より寒く感じる。

 屋代駅。立派だ〜。
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さて、ちょっと小腹も空いてきた。  (...明日へ続く)



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管理人(ハナイ)
長野県須坂市に住む。夫と共に果樹の世話をして収穫して出荷・販売することが仕事。栽培品目はもも・プルーン・りんご・ぶどう・アスパラガス。趣味はMac、写真、庭に訪れるレア度の低い野鳥の観察、CSで撮りためた日本映画を夫と観ること。仕事以外はわりとインドアである。
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