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人にとって作物とは?植物の存在とは?めぐり合わせで果樹栽培を営むことになった信州のとある農業者が思うこと
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100305_1223~01.jpgアスパラの萌芽は増えたけれど、まだ出荷するほどではありません。とりあえず味見をば...うーむ久しぶりの味。ウマっ。お先に戴きました。

さて、プルーンの整枝剪定。ようやくあと少しでケリがつきそうです。去年より数をこなしても、そうそう思うような速度で進まないものです。(かなりの本数を夫にやってもらったのだが...)剪定が思うように進まない訳は、悩む・考える・手間取るから。例えば、樹勢が強すぎる側枝(そくし)に対し、枝を抜く(元から切る)べきか?元に近い芽に切り戻すべきか?結果枝(けっかし)の数を減らすべきか...?と延々悩む。

こういった場合、テキストに載るような答えなど無い。園地、樹、枝、それぞれに今するべき事が違うはずで、どれが正解とかではない。自分が良しとする収穫のためにこの樹をどう育てていくか、という「目的」こそが大切であり、そのための整枝剪定なのである。だから、剪定初心者が「悩む」ことは仕方ないが、悩みすぎても時間の無駄かなと思った。それよりも自分が行った剪定とその枝の状態をよく憶えておいて、来年のこの時期に「答え」を樹から読み取り、経験を重ねることが最も良い事なんだろう。が、また悩むんだろな(笑)

ところで、剪定期間中は夢の中でも剪定をしていることが多い(夫もそうらしい)。ずいぶん前に録画したNスペが「リーマン予想」に関する内容で、それを観た夜の夢はひどかった。枝という枝に素数の番号がふられ(2,3,5,7,11...というわかり易いものではなくて十数桁もあるような素数。それが実際に素数であった確率はかなり低い)、延々とその素数らしきものを見ながら剪定をしなければならないという悪夢だった。だが、枝の強弱も、芽の数も、あながち素数と無関係ではあるまい。きっと。謎も答えも常に目の前にあるのだろう。一生の間にわかることなんて微々たるものだけれど、日々の小さな発見は、真理というものにほんの少し近づけたようで嬉しくなる。
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管理人(ハナイ)
長野県須坂市に住む。夫と共に果樹の世話をして収穫して出荷・販売することが仕事。栽培品目はもも・プルーン・りんご・ぶどう・アスパラガス。趣味はMac、写真、庭に訪れるレア度の低い野鳥の観察、CSで撮りためた日本映画を夫と観ること。仕事以外はわりとインドアである。
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